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先に要点だけ。
育休の途中で「やっぱり戻れない」と決めた場合、それまでに受け取った育児休業給付金は、原則として返す必要はありません(厚生労働省のQ&Aに明記されています)。
ただし、育休に入る時点ですでに退職を決めていた場合は話が別で、そもそも給付の対象外です。
社会保険料の免除は育休が終わるところまでで、退職すれば育休もそこで終わります。
職場に連絡するのがどうしてもしんどいなら、退職代行という手もあります。
夜中の授乳のあいだにスマホで「育休明け 退職」と打ちこんで、そのまま画面を閉じた。
そんな人、たぶん少なくないと思うんですよ。
保育園の入園が決まらない。
時短勤務の枠がない。
そもそも、あの職場に子どもを預けてまで戻りたいとは思えない。
理由は人それぞれだけど、「お金を返せと言われたらどうしよう」「今さら言い出しにくい」の2つで止まっている人がとても多い。
この記事では、その2つをできるだけ一次情報でほどいていきます。
この記事でわかること
- 受け取った育児休業給付金を返すことになるケース・ならないケース
- 退職を伝えるタイミングと、法律上の最短ライン
- 社会保険料の免除がどこまで続くか
- 職場に連絡しづらい人が取れるルート

育児休業給付金は返すことになる?分かれ目は「いつ退職を決めたか」
ここがいちばん気になるところですよね。
厚生労働省の「Q&A~育児休業等給付~」には、こう書かれています。
育児休業給付は、育休が終わったら職場に戻ることを前提にした給付金です。
だから、育休の当初から退職を予定していた人は、支給の対象になりません。
一方で、受給資格の確認を受けたあとに退職することになった場合は支給の対象で、育休中に退職したときはその退職日までが支給対象になります。
そして、受給資格の確認時点で退職が予定されていた場合を除き、それまでに受け取った給付を返す必要はない、とされています。
この扱いは令和7年4月1日以後に退職した人から適用されています。
「戻るつもりだったけど、気持ちが変わった」は後ろめたく思わなくていい
育休に入る時は戻るつもりだった。
でも子どもと過ごすうちに、家庭の状況や体調、保育園の結果が見えてきて、考えが変わった。
これはよくある話なんだよね。
制度も、途中で状況が変わる人がいることを前提に作られています。
「給付金をもらい逃げしたみたい」と自分を責める必要はない、と編集部は考えています。
注意したいのは最後の支給申請
育児休業給付金の申請は、会社を通して出している人が多いはずです。
退職日まで支給対象になるなら、最後の期間分の申請を会社がどう出すかは確認しておきたいところ。
自分の場合の細かい扱いは、会社の担当者か、事業所を管轄するハローワークで確かめるのがいちばん確実です。
退職はいつ伝える?法律上の最短ラインと、現実的な時期
法律上の最短ラインから整理しておきます。
民法627条1項では、期間の定めのない雇用契約(いわゆる正社員)は、解約の申入れの日から2週間を経過すると終了する、とされています。
つまり正社員なら、退職を申し出てから2週間で雇用契約は終わるのが原則です。
就業規則に「1か月前までに申し出ること」と書いてある会社も多いけど、円満に辞めたいなら合わせたほうが話は早い、くらいの感覚でいいと思います。
契約社員など期間の定めがある場合は扱いが違うので、ここは注意してください。
現実的には「復帰日の1〜2か月前」までに一報を
会社は復帰に向けて、配属や人員の調整をしているかもしれません。
早めに伝えるほど、相手の段取りもこちらの手続きも楽になります。
とはいえ、保育園の結果が出るのが遅かったり、そもそも迷っていたりで、ギリギリになることもあるよね。
復帰直前になってしまったとしても、法律上は2週間ルールがあります。
「もう遅いから戻るしかない」と思い詰めなくて大丈夫です。
育休を理由に不利益な扱いをすることは禁止されている
育児・介護休業法10条は、育休を申し出たり取ったりしたことを理由に、会社が解雇その他の不利益な扱いをすることを禁じています。
「育休まで取っておいて辞めるなんて」と責められることがあっても、育休を取ったこと自体は正当な権利です。
逆に、本当は戻りたいのに「育休明けはポストがない」と退職に追い込まれているなら、それは一人で抱えず、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できます。
個別の法的判断が必要な場合は、弁護士にご相談ください。
社会保険料の免除はいつまで?退職後のお金の流れ
日本年金機構の案内では、育休中の健康保険・厚生年金の保険料は、育休を開始した日の属する月から、育休が終了する日の翌日が属する月の前月まで免除されます。
育休中に退職すれば、育休もその時点で終わり、会社の社会保険からも外れます。
つまり免除も退職と一緒に終わる、というイメージです。
退職月の細かい扱いは退職日が月末かどうかで変わることがあるので、会社の担当者に「何月分まで免除になるか」を聞いておくと安心です。
退職後に自分で選ぶこと
手続きを順番に確認したい人は、退職後にやるべき保険・年金・税金の手続きリストもあわせて見ておくと抜け漏れを防げます。
- 健康保険:国民健康保険/任意継続/家族の扶養に入る、のいずれか
- 年金:国民年金に切り替え(扶養に入るなら第3号の手続き)
- 失業保険:すぐ働けないなら「受給期間の延長」を検討
失業保険は「すぐ働ける状態」が前提なので、育児で働けない間はもらえません。
ただしハローワークの案内では、育児などで30日以上働けない場合、受給期間を最長3年延長できます。
正直、ここは見落としがちなんだよ。
受給の条件(雇用保険の加入期間など)も絡むので、離職票が届いたらハローワークで確認しておくと、あとで働き始める時の選択肢が広がります。
職場に連絡しづらい人のルート比較
「退職を伝える」自体がいちばん重い、という人もいますよね。
1年近く職場を離れていて、上司の顔を思い浮かべるだけで胃が痛い。
産休前に嫌味を言われたことがあって、電話をかける指が止まる。
同じように身動きがとれない人向けに、上司が怖くて退職を言い出せない人への解決策もまとめています。
そういう事情なら、伝え方を選んでいいと思います。
| 方法 |
費用 |
特徴 |
向いている人 |
| 上司に電話・面談 |
0円 |
いちばん話が早い。 引き留めや説得を受けることもある |
関係が悪くなく、直接話せる人 |
| 人事にメール・書面で連絡 |
0円(郵送費程度) |
記録が残る。 感情的なやりとりを避けやすい |
上司とは話したくないが、人事とは連絡がとれる人 |
| 退職代行(一般企業運営) |
有料(公式サイトで要確認) |
退職の意思を伝えてもらえる。 会社との交渉はできない |
とにかく自分から連絡したくない人 |
| 退職代行(労働組合・弁護士運営) |
有料(一般より高めの傾向) |
労働組合は団体交渉、弁護士は交渉や法的対応まで可能 |
退職日や未払い賃金などで揉めそうな人 |
育休明けの退職は、会社とガチガチに揉めるケースはそこまで多くない印象です。
だから基本は人事へのメールで十分な人も多い。
自分で伝えるか任せるかで迷うなら、円満退職と退職代行それぞれのメリット・デメリットを比べてから決めても遅くありません。
ただ、心がすり減っている時に「文面を考えて、返信を待って、電話がかかってきたら出る」を全部やるのは、想像以上にきついんですよね。
そこを外に任せる選択肢として、たとえばこんな退職代行サービス
もあります。
退職代行を使う時に伝えておきたいこと
- 育児休業給付金の最後の期間分の申請をどうするか
- 離職票の送付(失業保険の受給期間延長に使う)
- 健康保険証の返却方法、社会保険の資格喪失日
- 会社に置いたままの私物の送付
一般企業運営の代行は、これらを「伝える」ことはできても、条件を「交渉する」ことはできません。
揉めそうな要素があるなら、最初から労働組合運営か弁護士のサービスを選んだほうが途中で止まらずに済みます。
また、どのサービスでも結果は会社側の対応に左右されるので、「頼めば何でも片づく」とは考えないほうがいいです。
立場別・いま取れる選択肢
まだ迷っている人
復帰日から逆算して、1〜2か月前を「決める日」にしてカレンダーに入れておくのがおすすめ。
その間に、保育園の状況と家計(退職後の保険料・年金の負担)をざっくり書き出すと、気持ちの整理がつきやすいです。
辞めると決めたけど、自分では伝えにくい人
人事へのメール1本から始めてもいいし、それも難しければ第三者に任せる方法もあります。
料金や対応範囲を見比べるなら、こちらの退職代行サービス
も一つの候補です。
費用をかけずに進めたい人
人事宛てに「○月○日付で退職したい」「育休給付の最終申請と離職票の送付をお願いしたい」の2点をメールで送るだけでも、話は動きます。
返信がない、圧をかけられた、という時は労働局の総合労働相談コーナーが無料で使えます。
よくある質問
Q. 育休から復帰せず退職したら、育児休業給付金を返すことになりますか?
A. 育休の開始時点で退職を予定していた場合を除き、返す必要はないと厚生労働省のQ&Aに書かれています。
育休中に退職した場合は退職日までが支給対象です。
自分のケースは管轄のハローワークで確認してください。
Q. 育休明け直前に退職を伝えても大丈夫?
A. 正社員なら民法627条1項により、申し出から2週間で雇用契約は終わるのが原則です。
就業規則の定めもあるので、可能な範囲で早めに伝えるのが無難です。
Q. 退職したら社会保険料の免除はどうなりますか?
A. 免除は育休が終わる日の翌日が属する月の前月までで、退職で育休も終わります。
その後は国民健康保険・任意継続・家族の扶養などに切り替えます。
Q. 育児中でも失業保険はもらえますか?
A. すぐ働けない間は受給できませんが、育児などで30日以上働けない場合は受給期間を最長3年延長できます。
働けるようになってから受給手続きをする流れです。
まとめ:戻らないと決めるのは、逃げじゃない
育休は、子どもと向き合うための時間です。
その時間の中で「今の職場には戻れない」と気づいたのなら、それは向き合った結果なんだと思います。
途中で気持ちが変わった場合、受け取った給付金は原則返さなくていい。
伝える方法も、自分で選んでいい。
あなたは何も悪くないです。
まずは復帰日から逆算して、いつ・誰に・どう伝えるかを一つだけ決めてみてください。
※ 本記事は編集部の調査と利用者の声に基づくもので、制度の内容は2026年9月時点の公的機関の案内によります。
個別の給付・保険の扱いはハローワーク・年金事務所へ、法的な判断が必要な場合は弁護士にご相談ください。
※本記事は一般的な情報提供であり、法的・税務的な助言ではありません。
社会保険・年金・税金などの手続きや制度は改正される場合があるため、個別の判断は管轄窓口や社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。
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