有給が残ってないけど今すぐ辞めたい|欠勤扱いで即日退職したときの給料・保険・リスクの現実

有給ない 即日退職 退職の手続き

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結論から書く。
有給がゼロでも、辞めることはできる。
ただし「今日で終わり」にするには会社の同意が要るし、同意がなければ申し出から2週間は在籍が続く。
そして、その2週間の欠勤が給料と社会保険料の両方に効いてくる。ここを知らずに退職日を決めると、最後の月に数万円の持ち出しが出ることがある。

自分は入社10ヶ月で辞めたことがある。
有給は付与済みだったけど、体調不良で使い切っていて残ゼロ。
最後の給与明細を見て手が止まった。支給額より控除額のほうが大きかったんだよね。
その時に調べたことを、実額ベースで書いていく。

有給ない 即日退職

有給ゼロで「今すぐ辞めたい」ときに起きること

まず法律の話を、堅くならない範囲で。

民法627条1項では、期間の定めのない雇用契約について、労働者はいつでも解約の申入れができて、申入れの日から2週間の経過によって契約が終了する、と定められている。
つまり「辞めます」と伝えた日から2週間で、会社の許可がなくても雇用契約は切れる。
条文の読み方や有期契約との違いは民法627条で認められた退職の自由で整理している。
逆に言えば、会社が合意してくれない限り、その2週間は在籍したままということでもある。

ここで有給が残っていれば、2週間を有給消化に充てて出社ゼロにできる。
これが「実質的な即日退職」と言われるパターン。
有給がないと、その2週間は欠勤で埋めることになる。

なお、年次有給休暇は労働基準法39条で認められた労働者の権利だけど、入社6ヶ月未満だとそもそも付与されていない。
「有給がない自分は権利が弱い」わけじゃなくて、単に付与のタイミング前、というだけのケースも多い。

会社が合意すれば、退職日を今日にすることもできる

2週間ルールは、あくまで会社が同意しない場合の話。
会社側が「わかった、今日付けで処理する」と応じれば、合意退職として当日付けで終わることもある。
人手が足りない職場ほど渋られるし、逆に「もう来なくていい」と即答されることもある。会社次第としか言えない。

欠勤で辞めると、給料と社会保険料はこうなる

働いていない日は1円も出ない

これは分かりやすい。ノーワーク・ノーペイの原則で、欠勤した日の分の賃金は発生しない。
月給制でも、欠勤控除として日割りで差し引かれる。
月給25万円で所定労働日が20日なら、1日あたり1万2,500円。10日欠勤すれば12万5,000円が消える計算になる。

問題はここ。社会保険料は満額で引かれる

自分が明細を見て固まったのがこれ。
健康保険料と厚生年金保険料は、その月に働いたかどうかではなく、標準報酬月額という決められた等級をもとに計算される。
だから欠勤で給料が減っても、社会保険料は基本的に前と同じ額がかかる。

月給25万円くらい(標準報酬月額26万円)、東京都の協会けんぽ、40歳未満で概算するとこうなる。

  • 健康保険料(本人負担):およそ1万3,000円
  • 厚生年金保険料(本人負担):2万3,790円
  • 合計:およそ3万6,000〜3万7,000円

令和8年度の東京都の健康保険料率は9.85%で、これに全国一律の子ども・子育て支援金0.23%が加わる形。厚生年金は18.3%。どちらも労使折半なので、本人負担はこの半分。
料率は毎年3月分から改定されるから、正確な額は協会けんぽの保険料額表か、自分の給与明細の控除欄で確認してほしい。

で、給料がほぼゼロの月にこの3万6,000円が発生するとどうなるか。
給与から引ききれない。
その場合は会社が一旦立て替えて、後から振込を求められることが多い。最後の月に「会社に3万円振り込んでください」と言われるのは、けっこう精神的にくる。
雇用保険料は給与額に対してかかるので、給料がゼロならこちらは発生しない。そこだけは救い。

有給ない 即日退職

退職日をいつにするかで、数万円変わる

ここが一番実利のある話。

健康保険と厚生年金の保険料は、資格喪失日の属する月の前月分までかかる。
資格喪失日は退職日の翌日。
だから8月31日に辞めると喪失日は9月1日で、8月分の保険料が発生する。
8月30日に辞めると喪失日は8月31日なので、8月分の厚生年金・健康保険はかからない。

「じゃあ月末の前日に辞めたほうが得じゃん」と思うよね。自分もそう思った。
でも、会社の健康保険を抜けた月は、国民健康保険と国民年金に自分で加入することになる。
国民年金保険料は令和8年度で月額1万7,920円。国民健康保険料は前年の所得で決まるから人によって幅が大きい。
つまり、浮くというより払い先が変わるのに近い。

退職日の決め方 働いた分の給料 その月の厚生年金・健保(本人分) 代わりに発生するもの 向いている人
A:会社と合意して今日付けで退職 その日までの日割り分のみ かからない(月末在籍しないため) 国保+国民年金(月1万7,920円+国保) 心身が限界で1日も出社できない人
B:申し出から2週間後(月の途中)に退職 出社した日の分だけ かからない 国保+国民年金。ただし欠勤で給料はほぼゼロ 会社が即日退職に同意しない人
C:2週間経過後の月末付けで退職 出社した日の分だけ かかる(およそ3万6,000円) 翌月から国保・国民年金 健康保険証を月末まで使いたい人、家族を扶養している人

単純な損得だとBやAが軽く見えるけど、Cにも理由がある。
月末まで会社の健康保険に入っていれば保険証がその間使えるし、扶養に入れている家族の切り替え手続きも1回で済む。
病院に通っている最中なら、そこは金額だけで決めないほうがいい。

自分がやらかしたのは住民税だった

社会保険ばかり気にしていて、完全に見落としていたのが住民税。
給与から天引き(特別徴収)されている住民税は、1月から5月に退職すると、その年の5月分までが最後の給与や退職金から一括で徴収される。
自分は3月末で辞めたので、残り2ヶ月分がまとめて引かれた。約4万円。
給料がほとんど出ない月に、社会保険料と住民税が重なると、控除が支給を上回る。あの明細はしばらく忘れられない。

6月から12月の退職なら、残りを自分で納める普通徴収に切り替えるか、一括徴収かを選べるのが原則。
辞める時期を多少選べるなら、この差は地味に大きい。
退職日を決めたあとに必要な国保・国民年金・住民税の切り替えは、退職後にやる保険・年金・税金の手続きリストで順番を確認しておくと抜けが減る。

会社に言えない、が一番のボトルネックになる

ここまで金額の話をしてきたけど、実際に詰まるのはたいてい「言い出せない」ところなんだよね。

自分も辞める前の1週間、退職届を鞄に入れたまま持ち帰り続けた。
朝、駅のホームで電車を3本見送った日もある。
上司の機嫌がいい日を待っていたら、そんな日は永遠に来なかった。
同じところで止まっている人向けに、上司が怖くて退職を切り出せないときの対処法もまとめてある。

有給ゼロの状況だと、これがさらに厄介になる。
「有給を消化させてください」なら会社も断りにくいけど、「明日から欠勤します」は交渉の余地が生まれてしまう。
引き止められる、代わりを見つけろと言われる、その間に日数だけ過ぎていく。

その状態で使われているのが退職代行。
自分が調べた範囲だと、一般的な民間業者で2万〜3万円、労働組合が運営するタイプで2万〜3万円台、弁護士対応だと5万〜10万円前後が相場感だった。
欠勤2週間で失う給料と比べると、費用の位置づけが少し変わって見えると思う。

ひとつ知っておきたいのは業態の違い。
一般の民間業者ができるのは、退職の意思を会社に伝えることまで。
退職日の調整や未払い賃金の請求といった交渉は、労働組合か弁護士でないと行えない(弁護士法72条)。
自分の状況が「伝えてもらえれば終わる」のか「揉めそう」なのかで、選ぶ先が変わる。
サービスの対応範囲は公式サイトで確認できるので、申し込む前にそこだけは見ておいたほうがいい。
退職代行サービス

有給ない 即日退職

状況別、次にやること

上司に一言だけなら言える人

退職届を出して、退職日を月末に置くか月末前に置くかだけ決める。
このパターンなら費用はゼロ。郵送でも受け取ってもらえるので、対面が無理なら内容証明で送る方法もある。

連絡そのものが無理、引き止めが激しい人

会社との連絡を代わってもらう選択肢がある。
即日で連絡を入れてもらい、退職日は2週間後、その間は欠勤という形が多い。有給がなくてもこの流れ自体は変わらない。
料金や対応範囲を先に確認してから申し込むのがいいと思う。
退職代行サービス

未払い残業代や退職日の調整で揉めそうな人

伝達だけの業者だと足りない。労働組合運営か弁護士対応を選ぶ必要がある。
費用は上がるけど、交渉が発生する前提ならここは削らないほうがいい。
退職代行サービス

よくある質問

Q. 有給がないのに「明日から行きません」は違法になりますか?
A. 無断欠勤は契約上の義務違反にあたる可能性があるので、退職の意思は必ず伝えたうえで欠勤に入るのが安全です。意思表示さえしていれば、民法627条1項により2週間で契約は終了します。

Q. 欠勤して辞めたら損害賠償を請求されますか?
A. 会社が実際の損害を立証する必要があり、通常の退職で請求が認められるケースは多くありません。ただし請求されないと言い切ることはできないので、脅し文句を受けたら弁護士や労働局に相談してください。

Q. 退職日は月末と月末前、どちらが得ですか?
A. 金額だけなら月末前のほうがその月の厚生年金・健康保険料はかかりません。ただし国民年金(令和8年度で月1万7,920円)と国保が発生するため、差は思ったほど大きくならないこともあります。通院中や扶養家族がいる場合は月末退職のほうが手続きが楽です。

Q. 有給がなくても失業保険はもらえますか?
A. 有給の残日数と失業保険は無関係です。離職日が2025年4月1日以降の自己都合退職なら、7日間の待期に加えて給付制限は原則1ヶ月。ただし5年以内に3回以上自己都合で離職している場合は3ヶ月になります。給付日数や手続きに必要な書類はハローワークインターネットサービスで最新の内容を確認してください。

Q. 体調を崩して辞める場合、使える制度はありますか?
A. 健康保険の傷病手当金には資格喪失後の継続給付という仕組みがあります。継続して1年以上の被保険者期間があること、退職日に労務不能で出勤していないことなどが条件です。退職日に挨拶で出社すると受けられなくなるので、この点は事前に協会けんぽや健康保険組合へ確認してください。

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サービスごとに料金・対応範囲・スピードが異なります。複数を比較して、自分に合うものを選ぶのがおすすめです。

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まとめ

有給が残っていないことは、辞められない理由にはならない。
権利がないんじゃなくて、まだ付与されていなかったり、使い切っただけの話。

やることは3つだけ。
退職の意思を伝える。退職日を月末にするか月末前にするか決める。最後の月の控除額を先に計算しておく。
これだけで、明細を見た瞬間の絶望はかなり減らせる。

自分が辞めた翌朝、いつもの時間に目が覚めて、行かなくていいと気づいた瞬間の感覚は今でも覚えている。
損得の計算は大事だけど、数万円のために限界の職場に残る必要はない。
無理をしている自覚があるなら、退職日を1日ずらす話より先に、辞めるという選択肢を机の上に置いていい。

※ 本記事は一般的な制度の説明と個人の経験に基づくものです。保険料率や制度は年度によって変わります。個別の判断が必要な場合は、弁護士・社会保険労務士、お住まいの自治体窓口、ハローワークにご相談ください。

※本記事は一般的な情報提供であり、法的・税務的な助言ではありません。社会保険・年金・税金などの手続きや制度は改正される場合があるため、個別の判断は管轄窓口や社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。

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