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「退職金、ちゃんともらえるのかな」
辞めることを決めた瞬間、頭をよぎるのがこれだと思う。
自分も前の会社を辞める時、正直いちばん気になったのはお金の話だった。8年勤めて、もらえた退職金は手取りで約180万円。多いのか少ないのかもわからないまま、振込を確認した日のことを今でも覚えてる。
でも後から調べてみると、「退職金はもらえて当たり前」ではないんだよね。会社によっては制度そのものがない。減額されることもある。ひどい場合は「支給しない」と言われるケースもある。
この記事では、退職金の相場・計算方法・就業規則のどこを見ればいいのか、そしてもし「もらえない・少なすぎる」と感じた時にどう動けばいいのかをまとめた。感情論じゃなく、労働基準法と民事の視点から整理してある。

退職金は法律で決まっているわけではない
最初に知っておいてほしいのは、ちょっと残酷な事実。
退職金の支払いは、法律で義務づけられているわけじゃないんだよね。
労働基準法にも民法にも「退職金を払え」とは書いていない。つまり、制度そのものが会社に存在しなければ、もらえなくても違法じゃないってこと。
じゃあ何をもとに支払われるのか。答えは「就業規則」または「労働契約」。ここに退職金に関する記載があれば、会社には支払い義務が発生する。
厚生労働省の令和5年「就労条件総合調査」によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は約74.9%。逆に言えば、4社に1社は退職金制度そのものがない。特に従業員30人未満の中小企業だと、制度なしの会社の割合はもっと高くなる。
「うちの会社、退職金出るよね?」と当たり前に思ってたら、実は制度すらなかった…なんて話は普通にある。自分の知り合いも、10年勤めた飲食チェーンを辞める時に初めて「退職金制度はうちにはない」と言われて絶句してた。
退職金の相場はどれくらいなのか
参考までに、厚労省の調査ベースでざっくりした相場を紹介する。
自己都合退職の場合(大卒・管理職含む)
- 勤続10年:約120〜180万円
- 勤続20年:約400〜600万円
- 勤続30年:約900〜1200万円
- 勤続35年以上:約1500〜2000万円
会社都合退職の場合
同じ勤続年数でも、自己都合の1.2〜1.5倍になるのが一般的。会社都合(倒産・リストラ等)の方が支給率が高く設定されている。
ただしこれはあくまで大企業寄りの平均値。中小企業だと、同じ勤続年数でも金額は半分以下になることも珍しくない。業種によっても差は大きい。
「自分の退職金、相場より少なすぎないか?」と感じたら、まずは企業規模と業種を揃えて比較してみてほしい。単純比較して落ち込む必要はないよ。
計算方法の基本パターン
退職金の計算ロジックは会社によって違うけど、代表的なのは次の3つ。
1. 基本給連動型
退職時の基本給 × 勤続年数 × 支給率(自己都合/会社都合)
昔ながらの計算方式。たとえば基本給28万円、勤続15年、支給率0.8の場合、28×15×0.8=336万円、みたいな感じ。
2. ポイント制
勤続年数・役職・評価などに応じてポイントを積み上げ、最後に「1ポイント=○円」で換算する方式。近年はこっちが主流になってきてる。
3. 別テーブル方式
基本給とは切り離した独自テーブルで、勤続年数ごとに支給額を決めるやり方。
どの方式かは就業規則の「退職金規程」に書いてある。入社時にちゃんと読んだ人は少ないと思う(自分もそうだった)。辞めると決めた今こそ、ここを開いてほしい。

就業規則で確認すべき4つのポイント
退職金規程を読む時、特にチェックしてほしいのはこの4点。
- 支給条件:勤続何年以上で支給されるのか(3年未満は支給なし、という会社も多い)
- 計算方法:上の3パターンのどれか
- 自己都合と会社都合の差:支給率がどれくらい変わるか
- 減額・不支給条項:懲戒解雇・競業他社への転職などで減額/没収されるケース
特に4つ目は要注意。「同業他社に転職した場合は退職金を減額する」みたいな条項が入ってることがある。辞めた後の転職先に関わる話だから、ここは絶対に確認しておいた方がいい。
就業規則は、労働基準法106条で「常時従業員が見られる状態にしておくこと」が会社に義務づけられてる。「見せてほしい」と言えば原則拒否できない。もしそれで嫌がられるようなら、それ自体が結構まずい職場かもしれない。
退職金がもらえない・少ない時の対処法
「就業規則には書いてあるのに、実際に払ってくれない」「明らかに少なすぎる」というケースの動き方をまとめる。
ステップ1:書面で請求する
まずは内容証明郵便で、就業規則の該当条項を示して支払いを請求する。口頭だと「言った言わない」になるから、必ず書面が鉄則。
ステップ2:労働基準監督署に相談
就業規則に明記されている退職金は「労働の対価としての賃金」とみなされる。つまり労働基準法24条の賃金全額払いの原則に反する可能性がある。労基署に相談すれば、会社に指導が入るケースもある。
ステップ3:弁護士・法テラスに相談
労基署で動かない場合は、民事として争うことになる。ここまで来ると専門家の出番。法テラスなら収入要件を満たせば無料相談もできる。
大事なのは時効。退職金の請求権は労働基準法115条により、現在は5年(当面の経過措置で賃金請求権は5年)。放置していると請求できなくなるから、早めに動いた方がいい。
※具体的なケースによって法律の適用は変わるため、詳しくは弁護士にご相談ください。
退職代行を使う場合、退職金はどうなるのか
心身が限界で、もう自分で会社と交渉する気力がない。そういう状態の人も多いと思う。
退職代行を使う場合、退職金の交渉まで代わりにやってくれるかはサービスによって違う。
- 民間運営の退職代行:退職の意思伝達のみ。金銭交渉は弁護士法に抵触するためできない
- 労働組合運営の退職代行:団体交渉権があるため、未払い賃金や退職金の交渉が可能
- 弁護士運営の退職代行:法的交渉から訴訟までフルカバー
自分が調べた中だと、Jobsは労働組合と提携しているタイプで、退職金や有給消化の交渉に対応している。「もう会社と話したくないけど、お金のことはちゃんとしたい」なら、選択肢に入れてもいいと思う。
大手で実績が豊富なEXITも、労働組合と提携する形で交渉まわりに対応している。自分の状況に合うかは、相談(無料のところが多い)で聞いてみるといい。
辞めた後のことも考えておく
退職金の話と並行して、次の仕事のことも早めに動き出しておいた方がいい。
退職金の有無や金額がはっきりしないと、「辞めた後、何ヶ月食いつなげるか」の計算ができない。逆に次の内定が決まっていれば、退職金がゼロでもなんとかなる場合も多い。
自分は転職活動を退職の2ヶ月前から始めた。dodaみたいな大手エージェントに登録しておくと、求人紹介から面接対策まで無料でサポートしてくれる。退職金だけをあてにするより、収入源そのものをどう繋ぐかを先に考えた方が現実的だと今は思う。
よくある質問
Q1. 就業規則に退職金の記載がない場合、もらう方法はないですか?
A. 原則としてありません。ただし、長年にわたって退職者に退職金が支払われてきた実績があり、それが「労使慣行」として認められる場合は、請求できる可能性もあります。具体的には弁護士に相談してみてください。
Q2. 自己都合退職だと退職金が減るのはなぜ?
A. 就業規則の退職金規程で「会社都合より自己都合の支給率を低く設定」しているケースが一般的だからです。これ自体は違法ではありません。ただし、支給率の差があまりに極端な場合(例:会社都合の1/10など)は、公序良俗違反として争われたケースもあります。
Q3. 懲戒解雇だと退職金はゼロになりますか?
A. 就業規則にそう定められていれば、原則として不支給または大幅減額になります。ただし、懲戒事由と不支給が「均衡を欠く」と判断された裁判例もあり、全額没収が認められないこともあります。安易に「ゼロだから諦める」と決めず、状況を整理してから動いてください。
まとめ:お金の話は、遠慮せず動いていい
退職金は、あなたがこれまで働いてきた時間の対価のひとつ。遠慮したり、諦めたりするものじゃない。
就業規則に書かれているのに払われないなら、それは立派な労働問題。相場より明らかに少ないなら、計算の根拠を聞く権利がある。辞めることを決めたなら、最後にちゃんと受け取るものを受け取ってほしい。
自分が無理なら、味方になってくれる仕組みはちゃんとある。労基署、法テラス、労働組合系の退職代行、転職エージェント。ひとつずつ当たっていけば、道は開ける。
辞めるのは逃げじゃない。お金の話をするのも卑しいことじゃない。あなたは、ちゃんと働いてきたんだから。


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