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先に要点だけ。
転勤の内示が出たあとでも、辞令が出たあとでも、正社員(期間の定めのない雇用)なら退職を申し出る道は残っています。
いちばん大事なのは、引っ越しの手配や社宅の契約が進む前に動くことです。
上司に直接言えないなら、退職代行を使って意思を伝えるという選択肢もあります。
「行けない。でも断れる空気じゃない」。
10月の異動シーズンに、そんな状態で夜にスマホで検索している人は少なくないと思います。
編集部にも、同じ状況を経験したメンバーがいます。
入社4年目の9月の半ば、会議室に呼ばれて「10月1日付で地方の営業所へ」と言われたそうです。
内示を受けてから引っ越しまで、2週間ちょっとしかありませんでした。
その夜は眠れなかった、と本人は言っています。
この記事でわかること
- 内示の段階と辞令が出た後で、何が違うのか
- 民法627条1項をもとにした、退職までのスケジュール
- 引っ越し前に退職を進める段取り
- 上司に言えないときの退職代行の選び方
転勤の内示と辞令、辞めたいならどこが分かれ目か
内示の段階は、まだ話を切り出しやすい
内示は「正式に発令する前のお知らせ」です。
会社によって扱いは違いますが、正式な辞令が出る前なので、人事側もまだ調整の余地を残していることが多いです。
編集部メンバーは、ここで何も言えませんでした。
「考えさせてください」の一言すら出てこなかったんです。
後から振り返って、あの1週間がいちばん動きやすいタイミングだった、と話しています。
辞令が出た後でも、退職を申し出ることはできる
辞令が出たら、もう辞められない。
そう思い込んでいる人は多いのですが、転勤の辞令と退職の申し出は別の話です。
辞令が出たことで、退職する権利そのものがなくなるわけではありません。
ただし、辞令が出た後だと、会社はもう後任や引き継ぎの段取りを進めています。
引き止めが強くなったり、「せめて赴任してから」と言われたりしやすいのは覚悟しておいた方がいいかもしれません。
「転勤を断る」と「辞める」はまったく別の話
ここは誤解しやすいので、分けて書いておきます。
就業規則に転勤の定めがある会社では、会社に残ったまま転勤命令だけを拒否すると、懲戒処分の対象になる可能性があります。
一方で、退職を選ぶなら、転勤を拒否して居座るのとは話の筋が変わります。
また、育児・介護休業法26条では、転勤によって子どもの養育や家族の介護が難しくなる労働者について、事業主はその状況に配慮しなければならないと定めています。
家族の事情がある人は、辞める前に一度相談してみる価値があるはずです。
ただ、自分のケースで転勤命令が有効か、拒否したら処分がどうなるかは、就業規則や事情によって大きく変わります。
ここを一人で判断するのは危ないので、詳しくは弁護士や労働局の総合労働相談コーナーにご相談ください。
各地の相談窓口は、厚生労働省の公式サイトから探せます。

民法627条1項で考える、引っ越し前に退職する段取り
退職は申し出てから2週間が原則
民法627条1項には、期間の定めのない雇用契約は、いつでも解約の申し入れができ、申し入れの日から2週間が経つと契約が終わる、という趣旨が書かれています。
就業規則に「1か月前までに申し出ること」とある会社も多いです。
円満に進めたいならそれに合わせるのもひとつですが、会社の同意がないと辞められない、というわけではありません。
契約社員など期間の定めがある雇用の場合は、ルールが変わります(民法628条など)。
自分の契約書の「契約期間」の欄を、先に確認しておいてください。
10月1日付の辞令を想定したスケジュール例
9月中旬に内示、10月1日付で異動、というよくある流れで考えてみます。
- 内示の当日〜3日以内:就業規則で「退職の申し出期限」「転勤」「社宅」「赴任手当」の項目を確認する
- 引っ越し業者・新しい住まいの契約はまだしない
- 9月20日前後まで:退職の意思を伝える(書面かメールで、日付が残る形にする)
- 残りの期間:有給休暇が残っていれば、退職日までの消化を申請する
- 退職日:保険証の返却、離職票の依頼などを済ませる(退職後の流れは退職後にやるべき保険・年金・税金の手続きリストで確認できます)
有給休暇は労働基準法39条で認められた労働者の権利です。
編集部メンバーは有給が11日残っていて、申し出の翌週からは出社しないまま退職日を迎えました。
引っ越しが絡むと、お金の問題が出てくる
自分たちがいちばん「しまった」と思ったのは、ここです。
別のメンバーは、辞令が出た後に会社が手配した社宅の契約書へサインしてしまいました。
そのあとで退職を決めたので、解約の手続きや、先に振り込まれていた赴任手当の扱いで話がややこしくなったそうです。
赴任手当や引っ越し代を返す必要があるかどうかは、会社の規程次第です。
だからこそ、書類にサインする前に決めておくのがいちばん身軽です。

上司に言えないなら、退職代行という手もある
「転勤イヤなら辞めるの?」と言われるのが怖かった
正直に書くと、編集部メンバーは上司の顔を見た瞬間に言葉が止まりました。
「みんな一度は地方を経験してる」。
「ここで断ったら、この会社で先はないよ」。
そう言われる場面を想像するだけで、手が冷たくなったそうです。
上司の前で言葉が出なくなる人は、上司が怖くて退職を言い出せない人への解決策も読んでみてください。
結局、その人は内示から6日目の夜に退職代行へ申し込みました。
翌朝、代行業者から「会社に伝えました」と連絡が来たとき、駅のベンチでしばらく動けなかったと言っています。
怖さが抜けた、というより、力が抜けた感じだったみたいです。
自分で伝える・退職代行・弁護士の比較
選び方の目安を表にまとめました。
料金は各サービスの公開情報を見たうえでの大まかな目安なので、申し込む前に必ず公式サイトで確認してください。
| 方法 |
費用の目安 |
できること |
向いている人 |
| 自分で上司・人事に伝える |
0円 |
退職の意思表示、有給や退職日の相談 |
上司と話せる関係がある人 |
| 民間企業の退職代行 |
2万円前後〜3万円程度が多い |
退職の意思の伝達(交渉はできない) |
とにかく直接連絡を断ちたい人 |
| 労働組合が運営する退職代行 |
2万円台〜3万円程度が多い |
意思の伝達に加え、有給や退職日の交渉 |
有給消化を渋られそうな人 |
| 弁護士 |
5万円以上になることが多い |
交渉、未払い賃金の請求、懲戒や損害賠償の相談 |
転勤拒否の処分や社宅費用で揉めそうな人 |
転勤がからむケースでは、「有給を使いたい」「社宅や赴任手当の話をしたい」といった交渉が必要になりやすいです。
民間企業の業者は交渉ができないので、自分のケースで何が必要かを先に考えておくと、選び間違えにくくなります。
自分で伝えるか代行を使うかで迷っているなら、円満退職と退職代行それぞれのメリット・デメリットも判断の材料になります。
編集部で使ったのは、こちらの退職代行サービス
です。
LINEで相談して、料金とできる範囲を先に確認してから申し込めたのがよかった、という感想でした。
退職代行を使っても、全部が自動で片付くわけではない
ここは期待しすぎないでほしいところです。
会社から借りているパソコンや社員証の返却、社宅の鍵の扱いなどは、郵送などで自分が対応することになります。
退職代行を使えば必ず揉めない、というものではありません。
それでも、上司と向き合わずに済むだけで、気持ちの負担はかなり違ったそうです。
立場別・いま取れる選択肢
まだ内示だけで、上司とは話せそうな人
まずは就業規則を読んで、家族の事情や体調など、転勤が難しい理由を整理してみてください。
そのうえで人事に相談し、それでもだめなら退職の意思を書面で伝える、という順番がいちばん穏やかです。
辞令が出ていて、上司にはもう言えない人
引っ越しの手配を止めて、退職代行に相談するのが現実的だと思います。
相談だけなら無料のところも多いので、状況を話して料金を聞くところから始めて大丈夫です。
退職代行サービス
で、対応の範囲と費用を比べてみてください。
費用を抑えつつ、有給もきちんと使いたい人
交渉が必要になりそうなら、労働組合が運営しているところか、交渉できる範囲がはっきり書かれているサービスを選んでください。
比較のもう一つの候補として、退職代行サービス
の料金ページも見ておくと判断しやすいです。
懲戒や社宅費用の請求など、法的な揉めごとになりそうなら、最初から弁護士に相談してください。
まとめ:行けないと思ったなら、それは十分な理由です
転勤を「断れない」と感じるのは、あなたが弱いからではありません。
住む場所も、人間関係も、生活のリズムも、2週間ほどで全部変えろと言われているんです。
しんどくて当たり前だと思います。
辞めるかどうかを決めるのは、あなたです。
ただ、辞めるという道はちゃんと残っている。
それだけは知っておいてほしくて、この記事を書きました。
編集部メンバーは、転勤を断って辞めたあと、実家から通える会社に転職しました。
「あのとき無理して行ってたら、たぶん3か月ももたなかった」と今は笑っています。
※ 記事内のエピソードは個人の体験・調査に基づくものです。退職や転勤命令をめぐる法的な判断は個別の事情で変わるため、詳しくは弁護士にご相談ください。
よくある質問
Q. 転勤の辞令を拒否したら、すぐクビになりますか?
A. 就業規則に転勤の定めがある場合、拒否すると懲戒処分の対象になる可能性はあります。
ただ、処分が有効かどうかは、業務上の必要性や本人の不利益の大きさなど、個別の事情で判断が分かれます。
不安な場合は、弁護士や労働局の総合労働相談コーナーに相談してください。
Q. 赴任してから辞めた方が、会社に迷惑をかけませんか?
A. 赴任してから辞めると、引っ越し代や社宅の解約など、会社もあなたも手間が増えることが多いです。
辞める気持ちが固まっているなら、引っ越しの前に伝えた方が、結果的にお互いの負担は小さくなりやすいと思います。
Q. 退職代行を使えば、明日から出社しなくていいですか?
A. 退職そのものは、民法627条1項で申し出から2週間が原則です。
その2週間を有給休暇や欠勤でまかなえれば、実際には出社しないまま退職日を迎えるケースもあります。
有給の残りの日数は、申し込む前に確認しておいてください。
Q. 家族の介護があって転勤できない場合はどうすればいいですか?
A. 育児・介護休業法26条には、転勤で介護が難しくなる労働者への事業主の配慮について定めがあります。
まずは事情を人事に伝え、それでも話が進まないときは、退職も含めて考えるのがいいと思います。
※本記事は一般的な情報提供であり、法的・税務的な助言ではありません。社会保険・年金・税金などの手続きや制度は改正される場合があるため、個別の判断は管轄窓口や社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。
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