塾講師を辞めたい|受験直前の秋冬に「生徒を見捨てるのか」と引き止められた人が退職代行で抜け出す現実的な手順

塾講師 辞めたい 業種・職種別

※ 本ページには広告が含まれます。サービスの評価は公開情報の調査と利用者の声に基づく編集部の見解です。

先に要点だけ。

受験直前の秋冬でも、塾講師は辞めていいです。

期間の定めのない雇用なら、民法項により、辞めると伝えてから2週間で契約は終わります。

「生徒を見捨てるのか」と言われて動けないなら、引き継ぎを最低限の資料にまとめて、退職代行に伝えてもらう方法もあります。

※ 本記事の体験談は編集部メンバー個人の体験と調査に基づくものです。結果は勤務先や契約内容によって変わります。

この記事でわかること

  • 受験期に辞めることへの罪悪感をどう整理するか
  • コマ給の外にある拘束時間をどう考えるか
  • 自分で伝える場合と退職代行を使う場合の違い(比較表つき)
  • 引き継ぎを最低限にして抜け出すまでの段取り

「受験前に辞めるなんて」と言われて、2か月動けなかった話

編集部のメンバーに、個別指導塾で講師をしていた人がいます。

ここからはその人の話です。

辞めたいと最初に思ったのは、中3の担当が6人いた年の10月でした。

のコマの前に、プリント作りで毎回くらい。

授業のあとは指導報告書、それから保護者向けのコメント入力。

給料が出るのはコマの分だけで、そのほかの作業にはも出ていませんでした。

教室長に「年内で辞めたい」と伝えたら、返ってきたのは一言です。

「今辞めたら、あの子たちを見捨てることになるよ」

何も言い返せませんでした。

帰りの電車で、担当している生徒の顔を一人ずつ思い出してしまって。

結局、その話はなかったことになりました。

次に切り出せたのは12月の半ば。

2か月、胃の痛みを抱えたまま冬期講習のシフトに入っていました。

いま振り返ると、「見捨てる」という言葉に一番縛られていたのは自分自身だったと思います。

生徒を大事に思っている人ほど、この一言は効きます。

だからこそ、ここで一度切り分けておきたいのです。

塾講師 辞めたい

生徒の合否の責任は、講師ひとりが背負うものではない

生徒の担当を決め、講師の穴を埋めるのは塾という組織の役割です。

講師が体調を崩しても、転居しても、授業が回るようにしておくのが運営側の仕事なんですよね。

あなたが辞めたあとに代わりの講師を用意するのも、同じく会社の側の話です。

もちろん、生徒のことが気になる気持ちまで消す必要はありません。

その気持ちは、あとで書く「引き継ぎメモ」に込めればいいと思います。

子どもを相手にする仕事で責任感につけこまれる構図は、保育の現場でもよく似ています。保育士が「子どもがかわいそう」圧から退職代行で抜け出す手順も参考になるはずです。

受験期でも辞められる根拠と、コマ給の外の拘束のこと

民法627条1項:伝えてから2週間で終わる

期間の定めのない雇用契約について、民法項はこう定めています。

当事者はいつでも解約の申入れができ、申入れの日から2週間が経つと雇用は終わる、という内容です。

「受験が終わるまで」「後任が決まるまで」といった条件は、この条文には書かれていません。

気をつけたいのは、「◯月まで」と期間が決まった契約で働いている場合です。

その場合は扱いが変わるので、まず雇用契約書や労働条件通知書で期間の有無を確認してください。

「辞めたら違約金」と言われたときも、労働基準法が違約金や損害賠償の額をあらかじめ決めておく契約を禁じています。

個別の事情での判断が必要なときは、弁護士や労働基準監督署に相談してください。

労働条件に関する相談窓口の案内は、厚生労働省の公式サイトで確認できます。

授業準備や報告書の時間は「労働時間」にあたる可能性がある

塾の指示でやっている授業準備、報告書の作成、面談や保護者対応。

これらは、実態によっては労働時間にあたる可能性があります。

コマ給しか出ていないのに作業が当たり前になっている職場は、少し立ち止まって考えていいところです。

先ほどのメンバーは、辞める前の3週間、準備と報告書に使った時間をスマホのメモに記録していました。

1週間で合計ほどでした。

その記録を見て「自分が弱いから疲れているわけじゃなかった」とようやく思えた、と話しています。

請求するかどうかは別として、記録を残しておくと、あとで選べる道が増えます。

塾講師 辞めたい

自分で伝えるか、退職代行を使うか|3つの方法を比較

引き止めが強い塾では、自分で伝えても話が振り出しに戻りがちです。

方法ごとの違いを表にまとめました。

自分で話し合って辞める場合との違いをもう少し知りたい人は、円満退職と退職代行それぞれのメリット・デメリットもあわせて読んでみてください。

料金は各社で差が大きいため、ここでは傾向だけ書いています。申し込む前に必ず公式サイトで確かめてください。

方法 料金の傾向 できること 向いている人
自分で伝える かからない 退職の意思表示。条件の話し合いも自分でする 教室長と普通に話せる人、引き止めが弱い職場
民間企業の退職代行 比較的おさえめ 退職の意思を伝える(交渉はできない) とにかく顔を合わせずに意思だけ伝えたい人
労働組合が運営する退職代行 中くらい 意思の伝達に加えて、団体交渉として有給や退職日の話し合いができる 有給消化や退職日を話し合いたい人
弁護士の退職代行 高め 未払い賃金の請求や損害賠償の話への対応も含めて依頼できる 違約金や損害賠償をちらつかされている人、未払い分を請求したい人

一般の民間業者ができるのは「伝える」ところまでです。

未払い分の請求まで考えているなら、弁護士か労働組合が運営するサービスを選ぶのが筋です。

メンバーが最終的に選んだのは、年明けに退職代行サービスへ連絡する方法でした。

「また教室長と向き合ったら、たぶん同じ言葉で止められる」と思ったからだそうです。

正直、申し込みのボタンを押すまでにかかった、とも言っていました。

失敗したと思っていること

ひとつ後悔しているのが、生徒に何も言わずに終わってしまったことです。

退職代行を使うと、最後の授業で挨拶する場は基本的にありません。

挨拶だけはしたい人は、引き継ぎメモに生徒への短い一言を添えて、塾から伝えてもらえるかを代行業者経由で聞いてみるといいと思います。

伝えてもらえるかどうかは塾の判断になりますが、自分の区切りにはなります。

引き継ぎを最低限にして抜け出す段取り

引き継ぎは完璧でなくていいです。

後任の講師が「どこまで進んでいて、何につまずいているか」をわかれば十分です。

ステップ1:契約書と給与明細を手元に集める

期間の定めがあるか、有給休暇が何日残っているかを確認します。

有給休暇は労働者の権利です。

アルバイトでも、勤務日数などの条件を満たしていれば付与されます。

ステップ2:生徒ごとの引き継ぎメモを1枚ずつ作る

  • 使っている教材と、いま進んでいるページ
  • 苦手な単元と、効いた説明のしかた
  • 志望校と、直近の模試の傾向

メンバーは6人分を1人あたりA4の半分くらいにまとめ、で書き上げました。

ステップ3:貸与物と私物を整理する

鍵、テキスト、名札などは郵送で返せるように、ひとまとめにしておきます。

教室に私物を置いているなら、最後の出勤日にそっと持ち帰っておくと、あとが楽です。

ステップ4:退職代行に連絡し、退職日と有給の希望を伝える

引き継ぎメモと貸与物は郵送すると伝えてもらいます。

メンバーの場合、連絡した翌日から教室に行かずに済みました。残っていた有給を退職日までの期間にあてられたからです。

ただ、これは有給が残っていたからできた話で、どの職場でも同じようになるとは限りません。

代行を頼んだ日の夜は、久しぶりに夜中に目が覚めずに眠れたそうです。

「翌朝、シフト表のアプリを開かなくていいのが、ちょっと信じられなかった」と。

立場別・いま取れる選択肢

読んでいる人の状況はそれぞれ違うと思うので、3つに分けました。

まず情報だけ集めたい人

今日やるのは、契約書で期間の有無を確認することと、準備時間のメモを始めることの2つだけ。

そのうえで、退職代行サービスの無料相談で、自分の契約でどう進むのかを聞いてみるのもひとつの手です。

もう教室に行くのがつらい人

引き止めの言葉を聞くたびに気持ちが削れているなら、自分で伝えることにこだわらなくていいと思います。

引き継ぎメモだけ作って、退職代行サービスに意思を伝えてもらう。

体調を崩しているなら、先に病院を受診しておくことも考えてください。

朝になると体が動かず出勤できない状態が続いているなら、出社拒否状態から退職代行で抜け出す方法で段取りをまとめています。

費用をおさえたい人

教室長以外に話せる人(本部や人事の窓口など)がいるなら、そこへメールで退職の意思を送る方法もあります。

送った日付が残るので、2週間の起算日もはっきりします。

未払い分や違約金の話が出てきたら、その時点で労働基準監督署や弁護士に相談を。

まとめ:受験期に辞めても、あなたは生徒を見捨てたことにはならない

秋冬に辞めたいと思うのは、それだけ限界まで踏ん張ってきたからだと思います。

コマ給の外で準備を重ねて、生徒の顔を思い浮かべて、それでも無理だと感じた。

その判断は、責任感がない人のものではありません。

後任が困らないように引き継ぎメモを残す。

それができれば、講師としての役目は十分果たしています。

あとは自分の生活と体を守る番です。

よくある質問

Q. 受験直前に辞めたら、塾から損害賠償を請求されますか?

A. 労働基準法により、違約金や損害賠償の額をあらかじめ決めておく契約は禁じられています。ただ、実際に請求されるかどうかは個別の事情しだいです。不安が強い場合は、弁護士に相談するか、弁護士の退職代行を選んでください。

Q. 大学生のアルバイト講師でも退職代行は使えますか?

A. アルバイトでも利用できるサービスは多くあります。期間の定めがある契約だと扱いが変わることがあるので、申し込む前に契約書を確認し、相談の段階で業者に伝えておくと話が早いです。

Q. 授業準備の時間の分の給料は、あとから請求できますか?

A. 塾の指示で行った準備などは、労働時間にあたる可能性があります。請求を考えているなら、作業時間の記録を残したうえで、労働基準監督署か弁護士に相談してください。一般の民間退職代行業者は、未払い分の請求を代わりに行うことはできません。

Q. 生徒や保護者に辞めることを自分から伝えるべきですか?

A. 必須ではありません。生徒への伝え方は塾が決めることが多いので、伝えたいことがあれば引き継ぎメモに短く書き、塾から伝えてもらえるかを確認するのが無難です。

※本記事は一般的な情報提供であり、法的・税務的な助言ではありません。社会保険・年金・税金などの手続きや制度は改正される場合があるため、個別の判断は管轄窓口や社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。

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