※ 本ページには広告が含まれます。
サービスの評価は公開情報の調査と利用者の声に基づく編集部の見解です。
先に要点だけ。
入社1年未満で辞めても、失業保険(雇用保険の基本手当)をもらえる可能性はあります。
見られるのは「今の会社に何年いたか」ではありません。
「離職前2年間に、被保険者期間が通算で12ヶ月あるか」です。
前の職場の期間を足せる場合もあります。
ただ、数え方にクセがあります。
退職日を決める前に一度だけ数えておくと、あとで「1ヶ月足りなかった」という事態を避けやすくなります。
入って半年、1年も経たないうちに「もう無理かもしれない」と思う。
それ自体はおかしなことじゃないと、自分は思っています。
やめたいナビ編集部には、退職や転職を何度か経験したメンバーがいます。
それでも、この被保険者期間の数え方を最初から正しく説明できた人はいませんでした。
自分もハローワークの資料を読み込んで、初めて「え、そういう数え方なの?」と驚いた口です。
この記事でわかること
- 雇用保険法13条の「12ヶ月」「6ヶ月」の条件の違い
- 被保険者期間の1ヶ月が、どう数えられるか
- 前の職場の期間を足せる条件と、足せない条件
- 短期で辞めるときに、退職日や退職代行をどう考えるか

失業保険は「1年未満だとダメ」ではない。条件は雇用保険法13条にある
よく聞く「1年働かないと失業保険は出ない」という話は、半分だけ合っています。
雇用保険法13条1項では、基本手当をもらえる条件を「離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算して12箇月以上」としています。
ここで大事なのは「通算して」の部分です。
今の会社の在籍期間だけで判定されるわけではありません。
会社都合や、やむを得ない理由なら「1年間で6ヶ月」
13条2項には例外があります。
倒産や解雇などで辞めた特定受給資格者と、正当な理由のある自己都合で辞めた特定理由離職者です。
この2つに当たると、条件は「離職前1年間に被保険者期間6ヶ月以上」まで下がります。
意外と知られていないのが、ハローワークの判断基準の中身です。
- 上司や同僚からの故意の排斥、著しい冷遇、嫌がらせを受けて辞めた
- 離職直前の6ヶ月のうち、月45時間を超える残業が3ヶ月続いた
- 1ヶ月で100時間を超える残業があった
- 体調不良などで、今の仕事を続けるのが難しくなった
こうしたケースは、自己都合で退職届を出していても特定受給資格者や特定理由離職者と判断される場合があります。
パワハラで辞めるなら、それは「根性がない」話ではありません。
制度のほうも、やむを得ない離職として扱う枠を用意しているんです。
ただし最終的に判断するのはハローワークです。
タイムカードの写真、メッセージの記録、診断書など、証拠になりそうなものは辞める前に手元へ残しておいたほうがいいですよ。
「被保険者期間1ヶ月」の数え方。カレンダーの1ヶ月とは別物
ここが一番つまずくところです。
被保険者期間は「入社日から数えて何ヶ月か」ではありません。
退職日から過去にさかのぼって1ヶ月ずつ区切ります。
その区切りの中に、給料が発生した日(賃金支払基礎日数)が11日以上ある期間を「1ヶ月」と数えます。
- 11日以上の月が12ヶ月に足りない場合は、給料の対象になった労働時間が80時間以上の区切りも1ヶ月として数えられる(2020年8月以降の離職)
- 区切っていって最後に1ヶ月未満の端数が残った場合、その期間が15日以上あり、条件(11日以上または80時間以上)も満たしていれば「0.5ヶ月」になる
つまり、4月1日入社・翌年3月15日退職の場合、「だいたい1年」の感覚でいると危ないんです。
退職日から区切ると、最初の区切りは3月16日〜2月15日ではなく、2月16日〜3月15日になります。
端数がどこに出るかは、退職日しだいで変わります。
有給消化中の日も「給料が出た日」に入る
ここは知っておくと得をしやすいポイントです。
年次有給休暇を使った日は賃金が支払われるので、賃金支払基礎日数にカウントされます。
残っている有給を消化してから退職日にすれば、そのぶん在籍期間が伸びて、12ヶ月に届くケースもあります。
有給は労働基準法39条で定められた労働者の権利です。
短期離職だからといって遠慮する必要はありません(入社6ヶ月経過などの付与条件はあります)。

前の職場の期間を足せる条件、足せない条件
転職1社目で「今の会社だけだと10ヶ月しかない」という人も、前の職場で雇用保険に入っていたなら、足して12ヶ月を超える可能性があります。
足せないのは、主に次の2つのケースです。
- 前の職場を辞めたあと、失業保険の受給資格の決定を受けた(ハローワークで手続きをして受給資格が決まった時点で、それより前の期間はリセットされる。
全額を受け取っていなくても同じ扱い)
- 前の職場を辞めてから今の会社に入るまでの空白が1年を超えている
例として、前職で被保険者期間8ヶ月、2ヶ月の空白があり、今の会社で6ヶ月働いたケースを考えます。
前職のあとに受給資格の決定を受けておらず、全部が離職前2年間に収まっていれば、8+6で14ヶ月です。
12ヶ月の条件を満たせそうですよね。
一方、前職を辞めたあとにハローワークで手続きを済ませていたら、使えるのは今の会社の6ヶ月だけです。
自己都合だと足りません。
自分が一番「うわ」と思ったのはここでした。
「受け取っていなければセーフ」と思い込みやすいのですが、基準は受給資格の決定を受けたかどうかなんですよね。
なお、病気やケガで30日以上給料が出なかった期間があると、「2年間」の枠を最大4年まで延ばせる場合もあります。
自分のケースが微妙なら、前職の離職票や雇用保険被保険者証を持ってハローワークで聞くのが確実です。
基本手当の受給要件や手続きの流れは、ハローワークインターネットサービスでも確認できます。
退職前でも相談できます。
短期離職で退職代行を使う前に確認したいこと
「上司の顔を見るだけで動悸がする」「辞めたいと言ったら怒鳴られそう」。
入社1年未満だと、辞めると切り出すこと自体がつらい。
それで退職代行を考える人も多いと思います。
切り出し方そのものに悩んでいるなら、上司が怖くて退職を言い出せないときの具体的な解決策も参考にしてみてください。
使うこと自体は悪くありません。
ただ、失業保険を考えるなら、申し込む前に次の3つは押さえておきたいところです。
- 退職日:被保険者期間が12ヶ月(会社都合などなら6ヶ月)に届く日付になっているか。
有給消化分を含めて計算する
- 離職票:失業保険の手続きに使うので、会社に発行してもらうよう伝えてもらう。
健康保険・年金・税金の切り替えも含めて退職後にやるべき手続きリストで確認しておく
- 離職理由:会社が書く離職理由と自分の認識が違う場合、ハローワークで異議を申し立てられる。
パワハラや長時間残業の証拠はここで効いてくる
民法627条1項では、期間の定めのない雇用契約は、退職を申し入れてから2週間で終了するとされています。
退職代行を使っても、この「2週間」のルール自体は変わりません。
その間を有給消化や欠勤でどう扱うかは、会社との調整しだいです。
もう一つ、業者によってできることの範囲が違います。
| 辞め方 |
料金の目安 |
特徴 |
向いている人 |
| 自分で伝える |
0円 |
退職日や有給の相談を自分で直接できる |
上司と話せる余力が残っている人 |
| 民間企業の退職代行 |
数万円程度(各社で異なる) |
できるのは退職の意思の伝達まで。 会社との交渉はできない |
とにかく連絡を代わってほしい人 |
| 労働組合運営の退職代行 |
数万円程度(各社で異なる) |
団体交渉権があり、退職日や有給消化の交渉ができる |
退職日を調整して被保険者期間を確保したい人 |
| 弁護士の退職代行 |
民間・労組より高めになる傾向 |
未払い残業代の請求など法的な対応まで任せられる |
お金の請求やトラブルが見込まれる人 |
「12ヶ月に届く日まで在籍したい」「有給を全部消化してから辞めたい」のように退職日の調整が必要なら、交渉できる運営形態を選ぶほうが話がスムーズです。
正直、料金の安さだけで決めたくなる気持ちはわかります。
ただ、交渉権のない業者だと、会社が有給消化を渋った時点でそれ以上は進められません。
比較するときは、運営形態と対応範囲を公式サイトで確認してみてください。
退職代行サービス
立場別・いま取れる選択肢
まず数えてみたい人
給与明細を手元に用意して、退職予定日からさかのぼって区切ってみてください。
前職がある人は、前職の離職票も一緒に。
数えてみて微妙なら、在職中のうちにハローワークで聞いてしまうのが早いです。
辞めるかどうかは、そのあとで決めても遅くありません。
もう限界で、すぐ連絡を代わってほしい人
心身が限界なら、失業保険の計算より先に自分を守ってください。
体調不良で辞める場合は、特定理由離職者として「1年間で6ヶ月」の条件が使える可能性があります。
受診して診断書をもらっておくと、その判断材料になります。
療養中の収入をどう支えるかは、適応障害・うつで辞めるときの退職代行と傷病手当金の使い方で整理しています。
連絡だけでも代わってもらう方法はあります。
退職代行サービス
退職日を調整して、条件をきっちり満たしたい人
「あと1ヶ月在籍すれば12ヶ月に届く」「有給が10日残っている」。
そういう人は、退職日と有給消化の交渉まで頼めるかどうかを基準に選ぶのがいいと思います。
申し込む前に、希望する退職日と離職票の発行依頼を伝えておきましょう。
退職代行サービス
まとめ:1年未満で辞めたいと思うのは、あなたのせいじゃない
入社1年未満でも、失業保険の条件を満たせる可能性はあります。
見るのは「離職前2年間で12ヶ月(会社都合などなら1年間で6ヶ月)」。
数え方は退職日からさかのぼって区切る方式で、有給消化の日も含まれます。
前職の期間も、受給資格の決定を受けておらず、空白が1年以内なら足せます。
短期で辞めることに後ろめたさを感じる人は多いです。
でも、合わない環境や理不尽な扱いから離れるのは、逃げではなく判断です。
数字を一度確認してから退職日を決めれば、辞めたあとの生活の見通しも立てやすくなります。
※ 本記事の内容は、雇用保険法や公開されている制度情報をもとにした編集部の整理で、個人の状況によって判断は異なります。
個別の判断はハローワーク、法的なトラブルについては弁護士にご相談ください。
よくある質問
Q. 試用期間中に辞めても被保険者期間に入りますか?
A. 雇用保険に加入していれば、試用期間も被保険者期間に含まれます。
加入の有無は、給与明細で雇用保険料が引かれているかどうかで確認できます。
Q. 自己都合で辞めた場合、失業保険はいつから出ますか?
A. 7日間の待期期間のあと、原則1ヶ月の給付制限があります(2025年4月以降の離職。
5年以内に3回以上自己都合で離職している場合などは3ヶ月)。
特定受給資格者や特定理由離職者と判断されれば、給付制限はかかりません。
Q. 退職代行を使うと、離職票はもらえないのですか?
A. 退職代行を使ったかどうかで、離職票の発行が左右されることは基本的にありません。
依頼するときに「離職票の発行を希望する」と伝えてもらい、届かない場合はハローワークに相談できます。
※本記事は一般的な情報提供であり、法的・税務的な助言ではありません。
社会保険・年金・税金などの手続きや制度は改正される場合があるため、個別の判断は管轄窓口や社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。
💡 退職代行サービスを比較検討中の方へ
サービスごとに料金・対応範囲・スピードが異なります。複数を比較して、自分に合うものを選ぶのがおすすめです。
※ 上記はもしもアフィリエイト経由のリンクです。本記事の内容を参考に、ご自身の判断でご利用ください。
コメント