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サービスの評価は公開情報の調査と利用者の声に基づく編集部の見解です。
先に要点だけ。
退職後に届く国民年金の納付書は、令和8年度で月17,920円です。
失業を理由にした「特例免除」を申請すると、本人の前年の所得を審査から外してもらえます。
その結果、支払いがゼロになる場合があります。
申請には離職票などのコピーが要ります。
退職代行で辞める人は、この書類を送ってもらうところまで最初から頼んでおくと、あとで困りにくいです。
※ 記事の内容は、編集部の調査と、日本年金機構などの公開情報にもとづくものです。
個別の判断は、お住まいの市区町村の窓口か年金事務所で確認してください。
会社を辞めて少しほっとした頃に、市区町村から封筒が届く。
開けたら国民年金の納付書が入っていて、1か月分だけで1万7千円を超えている。
貯金を切り崩しながら次の仕事を探している時期に、この金額はきついですよね。
しかも1か月で終わるわけではなく、毎月やってきます。
でも、焦って払う前に、少しだけ手を止めてほしいんです。
国民年金には、失業した人向けの仕組みがあります。
知らないまま払い続けている人も、放っておいて未納にしてしまう人もいて、どちらももったいないと編集部は考えています。
この記事でわかること
- 退職後に国民年金の納付書が届く理由と、実際の金額
- 失業を理由にした特例免除と納付猶予の違い
- 申請の手順と、そろえる書類
- 退職代行で辞めるときに、書類で困らないための段取り

退職後に届く納付書の正体と、選べる4つの道
会社員のときは「見えないところで」払っていた
会社員の間は、厚生年金の保険料が給料から天引きされていました。
国民年金の分もその中に含まれているので、自分で払っている感覚はなかったはずです。
退職すると、厚生年金の加入資格は退職日の翌日になくなります。
次の会社にすぐ入らない限り、20歳以上60歳未満の人は国民年金の第1号被保険者に切り替わります。
切り替えの届出は、退職日の翌日から14日以内に、住んでいる市区町村の窓口で行うことになっています。
健康保険や住民税も含めた全体の流れは、退職後にやるべき手続きリスト(保険・年金・税金)でまとめて確認できます。
そして第1号になると、保険料は自分で払うことになる。
令和8年度(2026年4月〜2027年3月)は月17,920円です。
1年間なら215,040円になります。
無職の時期にこの額は、正直かなり重いと思います。
退職日が1日ずれるだけで、1か月分変わることがある
意外と知られていないのが、退職日と保険料の関係です。
厚生年金の保険料は、資格がなくなった日(退職日の翌日)が属する月の前月分までかかります。
たとえば3月31日に辞めると、資格がなくなるのは4月1日です。
3月分までは厚生年金なので、国民年金は4月分からになります。
一方、3月30日に辞めると資格がなくなるのは3月31日。
この場合、3月分は厚生年金の対象から外れ、国民年金を自分で払う月になります。
退職代行を使うときは退職日を業者経由で伝えることが多いので、月末にするか途中にするかは、少し意識しておくといいかもしれません。
ただ、心身が限界なら日付を気にしている場合じゃない。
そのときは下で説明する免除の仕組みで調整すれば大丈夫です。
体調を崩して辞める場合は、適応障害・うつで辞めるときの退職代行と傷病手当金の使い方もあわせて読んでおくと、収入の空白を小さくできる場合があります。
払えないときの道は、実は4つある
納付書が来たときに取れる行動は、大きく分けて次の4つです。
- 全額免除を申請する
- 一部免除(4分の3・半額・4分の1)を申請する
- 納付猶予を申請する(50歳未満の人)
- 何もしない(=未納になる)
このうち、失業した人がまず検討したいのが「失業等による特例免除」です。
通常の免除は、前年の所得で審査されます。
ところが退職した年の前年は、たいてい会社で普通に働いていた年。
所得があるので、ふつうに審査すると免除が通りにくいんです。
特例免除では、失業した事実を書類で確認できれば、失業した本人の前年所得を審査から外してもらえます。
去年それなりに稼いでいても、今は収入がない。
そういう人のための仕組みだと考えてください。
ここが落とし穴。「本人以外」の所得は見られる
ひとつ注意があります。
特例で外れるのは、失業した本人の所得だけです。
免除の審査では、本人・配偶者・世帯主の前年所得が見られます。
たとえば実家に戻って親が世帯主になっている場合、親の所得が基準を超えると、本人が無職でも免除が通らないことがあります。
ここで使えるのが納付猶予です。
納付猶予は20歳以上50歳未満の人が対象で、審査されるのは本人と配偶者の所得だけ。
世帯主は審査の対象に入りません。
実家暮らしの20代・30代にとっては、こちらのほうが通りやすいケースがあるんです。
ちなみに、申請書は免除と納付猶予が同じ用紙になっていることが多いです。
両方にチェックを入れておけば、免除が通らなかったときに納付猶予で審査してもらえる形になっています(書式は窓口で確認してください)。
4つの道の比較表
違いを一覧にするとこうなります。
いちばん右の列は、編集部の見方です。
| 方法 |
毎月の負担 |
将来の年金額への反映 |
所得の審査対象 |
向いている人 |
| 全額免除 |
0円 |
全額払った場合の2分の1(2009年4月以降の期間) |
本人・配偶者・世帯主(失業特例なら本人分は除外) |
一人暮らし、または世帯主の所得がそこまで高くない人 |
| 一部免除 |
4分の1〜4分の3を納付 |
免除の割合に応じて一部反映 |
本人・配偶者・世帯主 |
全額免除は通らないが、少しなら払える人 |
| 納付猶予 |
0円 |
反映されない(あとで追納すれば反映) |
本人・配偶者のみ |
実家暮らしで、親の所得が高めの50歳未満の人 |
| 何もしない(未納) |
0円に見えるが、借りが積み上がる |
反映されない |
― |
おすすめできない |
表のとおり、未納と納付猶予はどちらも「今は払わない」状態です。
でも中身がまったく違います。
免除や納付猶予の期間は、年金を受け取るのに必要な加入期間(受給資格期間)に数えられます。
未納の期間は数えられません。
さらに、未納が続くと、病気やケガで障害が残ったときの障害基礎年金で、保険料の納付要件を満たせなくなるおそれがあります。
督促状が届き、最終的には財産の差し押さえに進むこともある。
払えないなら、黙って放っておくより「払えません」と申請したほうがいい。
その差がかなり大きいんですよね。
あとから払い直すこともできる
免除や納付猶予を受けた期間の保険料は、10年以内なら申し出てあとから払えます。
これを「追納」といいます。
再就職して生活が落ち着いたら、追納して年金額を満額に近づける。
それで十分間に合います。
なお、承認を受けた年度から3年度目以降に追納すると、当時の保険料に一定の金額が上乗せされます。
「免除を受けたら将来損をする」と思って、無理して払う人もいます。
でも、生活費を削ってまで払う必要があるかは、一度立ち止まって考えてみてもいいはずです。
失業中のお金は、まず自分の生活を立て直すために使うものだと思います。

申請の手順と書類、退職代行で辞めるときの段取り
申請の流れは4ステップ
手順自体はそこまで複雑ではありません。
- 市区町村の窓口で、国民年金への切り替え(種別変更)をする
- 失業を確認できる書類のコピーを用意する
- 「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を書く
- 市区町村の国民年金担当窓口か年金事務所に出す(郵送でも可)
切り替えのついでに、その場で免除も申請してしまうのがいちばん楽です。
窓口で「退職して収入がないので、失業の特例で免除を申請したい」と伝えれば通じます。
書類がまだ届いていない時期に切り替えだけ済ませて、書類が届いてから免除の申請を出す。
この順番でも問題ありません。
必要な書類
一般的には次のものが必要です。
- 基礎年金番号がわかるもの(基礎年金番号通知書、年金手帳など)かマイナンバーカード
- 雇用保険被保険者離職票のコピー、または雇用保険受給資格者証のコピー
- 本人確認書類
雇用保険に入っていなかった人(公務員など)は、退職辞令のコピーといった別の書類で失業を証明することになります。
自治体によって求められるものが少し違うので、出す前に窓口へ電話で確認しておくと二度手間を防げます。
カギになるのは離職票です。
特例免除でも失業保険でも、この紙がないと話が進みません。
さかのぼって申請できる期間
「もう何か月か放っておいてしまった」という人もいると思います。
免除や納付猶予は、申請した時点から2年1か月前までの期間についてさかのぼって申請できます。
納付期限から2年たっていない分なら間に合うということです。
未納の督促状が来てから慌てて申請する人も、実はけっこう多いです。
気づいた時点で動けば間に合うことがほとんどなので、自分を責めなくていいと思います。
離職票はいつ届くのか
退職すると、会社はハローワークに雇用保険の資格喪失の手続きをします。
期限は、退職日の翌日から数えて10日以内です(雇用保険法施行規則7条)。
その後ハローワークが離職票を発行し、会社から本人に送られます。
郵送の日数も入れると、退職から手元に届くまで2週間前後かかることが多いです。
会社の処理が遅いと、もっとかかることもあります。
退職代行で辞めるなら、書類のことも一緒に頼む
退職代行を使うと、会社と直接やり取りしなくて済みます。
その代わり、「書類をちゃんと送ってもらえるか」が気になりますよね。
自分で伝えて辞める場合との違いは、円満退職と退職代行のメリット・デメリットで比べています。
退職代行の申し込み時に、次の書類を郵送で送ってほしいと、業者から会社に伝えてもらうのがおすすめです。
- 離職票(1・2)
- 雇用保険被保険者証(会社が預かっている場合)
- 年金手帳(会社が預かっている場合)
- 源泉徴収票
- 健康保険の資格喪失証明書(国民健康保険に切り替えるときに使う)
このリストをそのまま業者に渡してしまえば、言い漏れがなくなります。
退職届や会社から借りていた物の返却とセットで、「書類は郵送で自宅に」と伝えてもらう形です。
ひとつ知っておいてほしいのは、退職代行の運営元によって、できることが違うという点です。
民間企業が運営する業者にできるのは、退職の意思や本人の要望を会社に「伝えること」まで。
会社が書類を出し渋ったときに条件を交渉するのは、弁護士か、団体交渉権を持つ労働組合の領域です。
書類が止まりそうな会社かどうかは、辞める前にある程度わかるはずです。
退職を引き延ばされた前例がある、備品や書類で揉めそう……といった心当たりがあるなら、交渉まで対応できる運営形態を選んでおくと安心です。
退職代行を比較するときは、料金だけでなく「退職後の書類の案内までしてくれるか」も見ておくといいと思います。
どこまで対応してくれるかは、各サービスの公式サイトに書いてあります。
気になる人は、退職代行サービス
の対応範囲をのぞいてみてください。
会社が離職票を送ってくれないとき
退職から2〜3週間たっても離職票が届かない。
会社に電話するのもしんどい。
そんなときは、住所を管轄するハローワークに相談できます。
ハローワークから会社に手続きを促してもらえますし、状況によってはハローワーク側で確認を進めてくれます。
会社と話さずに済むルートはある、と覚えておくだけでも少し気が楽になるはずです。
免除の申請だけ先に出したいなら、窓口で「離職票が会社から届かない」と正直に伝えてみてください。
ほかの書類で代わりにできるかを案内してもらえることがあります。
法律の話を少しだけ
「退職代行なんて使って、ちゃんと辞められるの?」という不安もあると思います。
民法627条1項では、期間の定めのない雇用契約(いわゆる正社員)は、退職を申し入れてから2週間がたつと終了すると定められています。
会社の同意がなくても、申し入れから2週間で契約は終わるのが原則です。
契約社員など期間の定めがある場合は、別のルールになります。
保険料の免除については、国民年金法90条に申請による全額免除が定められています。
「払えないときに申請する」のは、制度として用意された正規の手続きです。
後ろめたく思う必要はありません。
ただ、個別のケースでの法的な判断が必要なら、弁護士に相談してください。
年金の個別の審査については、年金事務所で確認するのが確実です。
健康保険と住民税もセットで考えておく
退職後にお金がかかるのは、年金だけではありません。
健康保険と住民税も、同じ時期に請求がやってきます。
健康保険は、会社の保険を任意継続するか、国民健康保険に入るかを選びます。
会社都合の退職などで失業保険の「特定受給資格者」「特定理由離職者」にあたる人は、国民健康保険料の計算で前年の給与所得を軽くしてもらえる制度があります。
この判定にも離職票(またはそれをもとに発行される雇用保険受給資格者証)を使います。
年金・健康保険・失業保険の3つが、どれも離職票でつながっている。
退職代行を使う人が、書類のことを最初に頼んでおいたほうがいい理由はここにあります。
立場別・いま取れる選択肢
まだ辞めていない人:辞める前に「書類リスト」まで決めておく
退職のことで頭がいっぱいになると、年金や保険のことまで考える余裕はなくなります。
それが普通です。
だからこそ、辞める前にやっておくのは次の2つだけで十分です。
- 上のリストをメモに保存して、退職代行の申し込みのときにそのまま渡す
- 退職日を月末にするか途中にするか、余裕があれば一度考える
自分で言い出すのがどうしても無理なら、退職代行に書類の郵送依頼まで含めて任せるという方法があります。
退職代行サービス
では、申し込みの前に相談だけすることもできます。
いきなり決めなくていいので、まず話を聞いてみるくらいの気持ちでも大丈夫です。
もう辞めて、納付書が手元にある人:払う前に窓口へ
納付書が届いたら、払う前に住んでいる市区町村の国民年金担当窓口に行ってみてください。
行けそうにない日は、電話で「失業の特例で免除を申請したい」と伝えるだけでもいいです。
持っていくもの:
- 基礎年金番号がわかるもの、またはマイナンバーカード
- 離職票か雇用保険受給資格者証(コピーでも可のことが多い)
- 本人確認書類
実家に住んでいる人は、免除と納付猶予の両方を希望する形で出しておくと安心です。
もう何か月も未納のままの人:今日からでも間に合う
督促状が来ていても、申請時点から2年1か月前までの分はさかのぼって申請できます。
怒られに行くわけじゃないので、身構えなくて大丈夫です。
体調がすぐれなくて窓口に行けないなら、郵送でも申請できます。
申請書は日本年金機構のサイトからダウンロードできるので、書けるところまで書いて送ってしまいましょう。
よくある質問
Q. 失業の特例免除を受けると、失業保険(基本手当)が減りますか?
国民年金の免除と雇用保険の基本手当は別の制度で、免除を受けたことで基本手当が減ることはありません。
むしろ、どちらも離職票が出発点なので、ハローワークの手続きと同じ時期に進めると効率的です。
Q. 免除は一度申請すればずっと続きますか?
免除・納付猶予は原則として7月から翌年6月までを1つの期間として承認されます。
次の期間も続けたいときは、改めての申請や継続の手続きが必要になることがあるので、承認の通知に書かれた案内を確認してください。
Q. 再就職したら、免除はどうなりますか?
次の会社で厚生年金に入れば、その月から国民年金の保険料を自分で払う必要はなくなります。
免除や納付猶予を受けていた期間の分は、10年以内なら追納できるので、生活が落ち着いてから検討すれば十分です。
Q. 退職代行を使ったことは、年金の手続きで不利になりますか?
年金の手続きで見られるのは、失業した事実と所得であって、どうやって辞めたかは関係ありません。
大事なのは離職票などの書類がそろうことなので、代行業者に郵送の依頼まで伝えてもらうのがポイントです。
まとめ:お金の不安は、手続きで小さくできる
退職後に届く国民年金の納付書は、令和8年度で月17,920円。
無職の時期には重い金額です。
でも、失業を理由にした特例免除を使えば、本人の前年所得を審査から外してもらえます。
実家暮らしなら納付猶予という道もある。
払えないまま放っておくより、「払えない」と申請したほうが将来の自分を守れます。
そして、その手続きの出発点になるのが離職票です。
退職代行で辞めるなら、書類の郵送依頼まで最初から段取りに入れておく。
これだけで、辞めたあとのお金の心配はかなり減るはずです。
限界まで我慢して、会社を辞める決断をした。
それは逃げじゃないし、あなたが悪いわけでもありません。
いまは、制度をうまく使って、自分の生活を立て直すことを優先していいと思います。
※本記事は一般的な情報提供であり、法的・税務的な助言ではありません。
社会保険・年金・税金などの手続きや制度は改正される場合があるため、個別の判断は管轄窓口や社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。
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