入社時に親が身元保証書にサインした|辞めたら親に損害賠償が行く?身元保証法と民法465条の2で見る保証の範囲と、親に連絡されたくない人の退職代行の使いどき

身元保証人 退職 法律・制度

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先に要点だけ。

親が入社時にサインした身元保証には、法律で期限があります。
期間を決めていなければ、決めていても最長です。

4月以降に結んだ身元保証は、上限額書かれていなければ無効になります。

法律どおりに退職を申し入れること自体は、身元保証が想定するには当たりません。
それでも会社が親に連絡しそうで怖いなら、連絡窓口を退職代行に寄せるという手が残っています。

。

上司にこう言われて、退職の話を切り出せなくなった人は少なくないはずです。
自分のことなら腹をくくれても、親が巻き込まれるとなると話は別ですよね。
上司への怖さそのものについては、上司が怖くて退職を言い出せない人への具体的な解決策でも整理しています。

ただ、編集部で条文を読み直してみて意外だったのは、身元保証って思っていたよりずっと約束だということでした。

この記事でわかること

  • 身元保証書が実際に約束している範囲と、期限
  • 4月以降の契約で書かれていない場合の扱い
  • 普通に辞めることが損害にならない理由
  • 会社が親に連絡しそうな時の、退職代行の使いどき

身元保証人 退職

身元保証書には「期限」と「上限」がある

そもそも何を保証しているのか

身元保証は、身元保証ニ関スル法律いう昭和の法律で扱われています。

が対象にしているのは。
つまり、本人の行為で会社が損害を受けた時に、その賠償を保証人が引き受けるという約束なんです。

いう約束ではありません。
ここ、意外と知られていないんだよね。

期間を決めていなければ3年、決めていても最長5年

身元保証法は、期間を定めない身元保証は成立の日から間効力を持つ、としています。
では、期間を決める場合もを超えられず、それより長く書いてあればに縮められます。

更新はできますが、更新した場合もその時からが上限です。

入社して目で、保証書に期間の記載がなく、更新の書類にも親がサインしていないなら、保証自体がもう切れている可能性があります。
まずは入社時にもらった書類の控えを、日付のところだけでも見てみてください。

2020年4月1日以降の契約は「極度額」がなければ無効

4月に改正民法が施行され、個人が保証人になる根保証契約には上限額を書くことが必要になりました。

個人根保証契約は、前項に規定する極度額を定めなければ、その効力を生じない。

根保証というのはまとめて保証する契約のこと。
国民生活センターの解説資料でも、雇用契約の際の身元保証が根保証の具体例として挙げられています。

法務省のパンフレットも、極度額はのように明瞭に定める必要があり、定めずに結んだ根保証契約は無効になると説明しています。

確認するのは1点だけ。
親がサインした書類に、いった金額の記載があるかどうかです。

2020年3月以前に結んだ保証は注意

改正法の附則で、施行日より前に結ばれた保証契約はされています。
つまり、それ以前のサインには極度額のルールがそのままは当てはまりません。

ただ、その場合でも上の・の期限は効いています。
3月以前の入社なら、期限の方がすでに過ぎていないかを見る方が早いかもしれません。

普通に辞めることは「損害」には当たらない

民法項は、期間の定めのない雇用について、各当事者はとし、申入れから2週間で雇用が終わると定めています。

法律で認められた手順で辞めるのは、権利の行使です。
それだけで会社に賠償すべき損害が生まれる仕組みにはなっていないんですよ。
手順を踏まずに連絡を断つ辞め方は話が別なので、無断欠勤のまま辞めるリスクもあわせて確認しておいてください。

身元保証が問題になるのは、たとえば会社のお金を使い込んだ、故意に設備を壊した、といった本人の行為で実際の損害が出たケースです。

もう一つ。
労働基準法は、労働契約の不履行について違約金を決めたり、損害賠償額をあらかじめ決めておいたりする契約を禁止しています。
いう取り決めは、この条文に触れる可能性が高いものです。
労働基準法のルールは、所管する厚生労働省の公式サイトでも確認できます。

さらに身元保証法は、保証人の責任や金額を決める時に、会社側の監督の落ち度や、保証人になった経緯など裁判所が考慮するとしています。
仮に何かの損害が争いになっても、保証書の文面どおりに全額が親に行くとは限らない、ということです。

もちろん、自分の状況にそのまま当てはまるかは個別の事情次第です。
引き継ぎ中の事故や金銭トラブルが絡んでいるなら、詳しくは弁護士にご相談ください。

それでも会社が親に連絡しそうな時の、退職代行の使いどき

法律の話がわかっても、怖さが全部消えるわけじゃないですよね。
別の話だからです。

身元保証法で会社が保証人に通知しなければならないとされているのは、本人に業務上不適任・不誠実な事実があって保証人の責任につながりそうな時や、任務・任地の変更で保証人の責任が重くなる時です。
退職の申し入れは、この条文が想定する場面ではありません。
とはいえ、会社が実家に電話をかけること自体を物理的に止める手段はないんです。

ここで使えるのが、退職代行に「連絡はすべて代行窓口へ。本人・家族への直接連絡は控えてほしい」と会社へ伝えてもらう方法。
あくまで会社へのお願いなので、強制力はありません。
それでも、本人が言うより第三者から伝わる方が通りやすい場面はあると、編集部では見ています。

申し込みの時に最初に伝えておくのがポイントです。

連絡先を寄せたい人向けの窓口としては、こちらのような退職代行サービスがあります。
家族への連絡についてどう伝えてくれるかは、申し込み前の相談で確かめておくと安心です。

辞め方ごとの違いを並べるとこうなります。
自分で伝えて辞める場合との比較は、円満退職と退職代行のメリット・デメリットにもまとめています。

辞め方 費用 できること 向いている人
自分で伝える かからない 退職の申し入れ。親への連絡を控えてほしいとも自分で頼める 上司と話せる余力があり、脅し文句も条文で返せそうな人
一般企業運営の退職代行 業者ごとに異なる 退職の意思と要望のまで。条件の交渉はできない 連絡窓口を自分から外したい、交渉ごとはない人
労働組合運営の退職代行 業者ごとに異なる 団体交渉として、退職日や有給消化の話し合いができる 有給消化や退職日でもめそうな人
弁護士 事務所ごとに異なる 損害賠償請求への対応や、未払い賃金の請求まで扱える 実際に請求書が届いた、金銭トラブルが絡んでいる人

正直、口だけの脅しなら、一般企業運営でも足りる場面が多いというのが編集部の見方です。
逆に、本当に請求の書面が来ているなら、迷わず弁護士の領域です。
ここは業者では動けません。

立場別・いま取れる選択肢

まず書類を確かめたい人
保証書の控えで3か所を見てください。
控えがなければ、親に頼むのも一つです。
4月以降で金額の記載がなければ、民法の2の話になります。

親を巻き込まずに、本気で今の会社から離れたい人
連絡窓口ごと外に出す方法があります。
申し込み時に家族への連絡について伝えておける退職代行サービスに、まず相談だけしてみる手があります。

費用や対応範囲を比べてから決めたい人
1社だけで決めず、もう1つの選択肢として退職代行サービスの料金と運営形態見比べてみてください。
有給消化の話がありそうなら、交渉ができる運営形態かどうかで選ぶのがいいと思います。

まとめ:親を守りたいと思えるあなたは、何も悪くない

身元保証には期限があって、4月以降の契約には上限額の記載も必要です。
そして、法律どおりに辞めることは、それだけで親に請求が行く理由にはなりません。

思って動けなくなるのは、それだけ家族を大事にしているからだと思うんです。
その気持ちを、辞めさせないための材料に使う方がおかしい。

書類を見る、相談だけしてみる。
一歩目はそのくらいで十分です。

よくある質問

Q. 保証書の控えが手元にありません。どうすればいいですか?
A. 会社の人事に、提出した身元保証書の写しを見せてもらえないか頼む方法があります。会社に頼みにくければ、サインした親に日付と金額の記載を覚えているか聞くのも一つの方法です。

Q. 言われました。払う必要はありますか?
A. 労働基準法は、労働契約の不履行について違約金や損害賠償額をあらかじめ決める契約を禁じています。実際に請求書が届いた場合は、個別の事情で結論が変わるため、詳しくは弁護士にご相談ください。

Q. 退職代行を使えば、会社は親に連絡しなくなりますか?
A. そうとは言い切れません。退職代行から伝えられるのはいうお願いで、会社を拘束する力はないからです。それでも窓口が一本化されることで、本人や家族へ直接連絡が来る理由は減らせます。

Q. 3月以前に入社した場合はどうなりますか?
A. 改正民法の附則により、施行日前に結んだ保証契約には改正前のルールが適用されます。ただ身元保証法の期限効いているので、まず期限が過ぎていないかを確認してみてください。

※ 本記事は条文と公開資料の調査に基づく編集部の見解で、個別の法的助言ではありません。

※本記事は一般的な情報提供であり、法的・税務的な助言ではありません。社会保険・年金・税金などの手続きや制度は改正される場合があるため、個別の判断は管轄窓口や社会保険労務士・税理士等の専門家にご確認ください。

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